■玄米の栄養について
玄米には、人が健康でいられる為に必要な栄養素が満遍なく含まれている為、完全栄養食とも言われています。
具体的にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
玄米にはビタミン類が多く含まれており、その中でもビタミンB群の種類も豊富です。
疲労回復効果のあるビタミンB1、皮膚の健康維持を助けてくれるビタミンB2、女性ホルモンの調整をして、月経前症候群の症状軽減や、妊娠中のつわり軽減に役立つビタミンB6、アルコールの分解と二日酔いの改善効果のあるナイアシンが多く含まれています。
ビタミンB群以外では非常に強い抗酸化作用を持ち、ガンの予防や細胞の老化を防いでくれるビタミンEなどがあります。
それから、歯や骨の形成に必要なマグネシウムやカルシウム、細胞を正常に保ってくれるカリウム、酸素を体の隅々まで運んでくれる鉄分も含まれているんです。
他にも、体内に溜まった有害物質を外へ排出してくれる力のあるフィチン酸、腸を刺激して排便を促してくれる不溶性食物繊維なども含んでいます。普段から添加物たっぷりの食事をとっている現代人にとっては、是非摂取したい食材です。
玄米可食部100g中に含まれる主な栄養素を表にまとめました。
エネルギー |
349.9 kcal |
ビタミンB1 | 0.41mg |
ビタミンB2 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.45mg |
ビタミンE | 0.3mg |
ナイアシン | 6.3mg |
マグネシウム | 110mg |
カルシウム | 9mg |
カリウム | 230mg |
鉄分 | 2.1mg |
フィチン酸 | 630mg |
不溶性食物繊維 | 2.3g |
※参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
玄米の主な効果:動脈硬化予防、便秘改善、疲労回復、老化防止、ガン予防など。
■玄米と白米の違い
◎性質の違い
収穫した稲のもみの1番外側を取ると玄米になります。玄米は糠という皮、それから胚芽によって構成されています。
白米とは、玄米の糠と胚芽を取り除き、胚乳のみにしたものです。
◎食感と味の違い
クセがなくて柔らかい白米と違って、玄米は少しパサついて硬めです。白米は噛むと早めに甘みがしてくるのに対し、玄米はゆっくり噛めば噛むほど甘みが増してきます。
また、白米よりよく噛むことになるので、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防いでくれる効果もあります。
◎栄養素の違い
白米より玄米の方が、食物繊維の量が6倍ほど多いです。玄米には初めに紹介したような栄養素も含まれることから、白米よりも栄養素が多いということが分かりますね。
ただ、100g中のカロリーに関しては、白米356kcalに対して玄米350kcalなので、そこまで大差はないようです。
【白米】
【玄米】
■玄米の正しい炊き方
- まずは計量カップ180mlを1号として、炊きたい分の玄米を水でよく洗いましょう。
- 炊飯器に玄米を入れ、玄米と水が1:1.5の比率になるように計算して水を入れます。
- 約1日、そのまま水につけて置いておきましょう。炊飯器が1つしかない場合は、ボール等に入れておくと良いです。
- 1日経ったら炊飯器で炊いて、空気を含ませるようにさっくりと混ぜたら完成です。
■玄米は毎日食べてもいい?
栄養素が豊富な玄米、できれば毎日食べたいと思う人もいるかもしれません。しかしそんな玄米にも注意点があります。
よく噛んで飲み込んでも口の中に玄米の皮が残ることがあります。この皮が消化されずに便として排出される際に胃腸の粘膜を傷つける場合もあるそうです。
また、不溶性食物繊維が豊富な玄米を食べすぎると、逆に便秘になってしまうこともあります。その為、玄米は毎日食べるのではなく、白米と1日おきにしたり、混ぜて炊くのが良いかもしれませんね。
■玄米を買う時のポイント
玄米の糠の部分には微量の農薬が残ってしまうことがあります。炊く前に玄米をよく洗ったり、炊飯する時の熱によって減らすことができるので問題ないのですが、購入する際は農薬未使用の玄米を買うのがおすすめです。
■玄米の保存方法について
◎高温多湿に注意
夏場など、特に気温と湿度が上がる時に注意したいのがアブシジン酸という成分です。これは植物ホルモンで発芽の調整には大切ですが、体には有害なものです。
◎冷蔵庫の野菜室に保存しよう
冷蔵庫の野菜室が玄米のベストな保存場所です。水分の多い果物や野菜が入っている時は、玄米を密閉性のあるビニール袋に入れるようにしましょう。
■発芽玄米は玄米より優れている?
玄米を0.5ミリ〜1ミリ程度発芽させたものを、発芽玄米と言います。
発芽させることにより酵素が増え、その酵素の力で玄米中の栄養素が高まると言われています。
他にも、玄米より炊きやすいという利点があります。
玄米は食感が硬く、栄養素を体内で吸収しやすくする為によく噛んで食べることが大切と言われていますが、それに比べて発芽玄米は柔らかいです。その為、炊きあがりが白米と似た仕上がりになるので、玄米の硬い食感が苦手な方にもおすすめです。
【発芽玄米】
■玄米の性質
◎玄米と相性の良い食材
玄米と相性の良い食材に、梅干しがあります。玄米に豊富に含まれるビタミンの力と、梅干しに含まれるクエン酸の力の相乗効果で、肌の再生力に効果があるんです。
また、カルシウムの吸収率を上げてくれるビタミンDを豊富に含む魚介類や、ビタミンEの抗酸化作用をアップさせてくれるビタミンCを含むブロッコリーとの相性もバッチリです。
◎玄米と相性の悪い食材
逆に、相性の悪い食材は何でしょうか。それは、不溶性食物繊維を含むイモやキノコです。玄米は既に不溶性食物繊維を豊富に含んでますので、摂りすぎると便のカサが増して逆に便秘になってしまう為気をつけましょう。
◎おすすめ調理方法
玄米のおすすめ調理法はズバリ、オリーブオイルと一緒に炊くことです。玄米2カップに対して、オリーブオイル大2を入れるだけなので簡単ですね。
オリーブオイルのオレイン酸には、腸の動きをよくしてくれる働きがあります。
玄米とオリーブオイルのWの効果で、更なる便秘改善が期待できるので、気になった方は是非試してみて下さい。