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猿蟹合戦の画像

柿 ~甘い柿と渋い柿。さるかに合戦の柿の品種とは?~

■柿の旬・栽培地

柿は日本の昔話にも登場するほど、日本では古くから馴染みのある果物です。
飛鳥時代の”庭に柿の木がある”といった記録が残っているところを見ると、日本人と柿とのつきあいは相当長い歴史となります。平安時代には既に干し柿がありました

鮮やかなオレンジ色の果実が特徴で、秋、特に10~11月が旬といわれています。

日本では、本州から九州までの広い地域で栽培されています。
特に生産量が多いのは、和歌山県、奈良県、福岡県、岐阜県、愛知県などです。

日本をはじめ、中国や朝鮮半島などアジアが原産とされている柿ですが、現在ではアメリカやブラジル、イタリア、ニュージランドなど世界各国でも栽培されています。
日本で流通している柿は国産のものが多いですが、輸入されている柿はニュージーランドとアメリカ産のものが中心となっています。
柿は日本に馴染みの深い果物なだけに、海外で栽培されているというのは不思議な印象を受けますね。

■柿の品種 甘柿に渋柿

ひとことに柿といっても、様々な種類があります。主に日本で流通している柿は、次のような品種です。

◎富有(ふゆう)柿

現在、日本で最も多く生産されてる柿の品種です。岐阜県がルーツとされ、明治時代から栽培され続けている完全甘柿です。丸み帯びた実で強い甘味があり、10月下旬頃から多く出回ります。

富有柿の画像

◎平核無(ひらたねなし)柿

種のない柿として広く出回っている品種です。不完全渋柿で、渋抜き処理を行うことで甘くなります。やや角張った実で、10月中旬から11月にかけて多く栽培されます。

平種なし柿の画像

◎刀根早生(とねわせ)柿

平核無の突然変異として生まれた品種です。平核無と同様にやや角張った実をしており、渋抜き処理を行うことで甘くなります。名前の通り収穫時期が早く、9月下旬頃から多く出回ります

◎次郎(じろう)柿

「次郎柿」という名前が有名な完全甘柿です。江戸時代末期に生まれ、明治時代から栽培が盛んになったといわれています。実は大きめで歯ごたえがあります。10月下旬頃から多く収穫されます。

次郎柿の画像

 

■甘柿と渋柿その違いは?

柿といえば、どんな味のイメージをお持ちですか?
甘い柿をイメージする方もいれば、渋い柿をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。

柿には、「甘柿」「渋柿」があります。
これらの違いは、柿に含まれる「タンニン」の性質の違いによるものです。
タンニンとはポリフェノールの一種で、渋味のもととなる成分です。
柿の他には、紅茶や緑茶にも含まれています。

タンニンによって渋味を感じるのは、柿を食べたときに口の中でタンニンが溶け出すためです。
甘柿と渋柿のどちらにもタンニンは含まれていますが、甘柿に含まれるタンニンは不溶性で溶けないのに対し、渋柿に含まれるタンニンは水溶性であるため、渋味を感じるというわけです。

柿の実が若いうちはいずれもタンニンは水溶性ですが、甘柿は果実が成熟する過程でタンニンが不溶性へと変わります。
渋柿を甘くするには、柿の実をアルコールや炭酸ガスによって処理する必要があります。
あるいは、渋柿を干すことによってもタンニンは不溶性へと変化します。
渋柿を干して干し柿にするのは、柿の甘味を引き出すために適した方法なのです。

■さるかに合戦に登場する柿はどんな柿?

柿が登場する昔話といえば「さるかに合戦」が有名です。
さるかに合戦は、サルが持っていた柿の種とカニが持っていたおにぎりを交換し、カニが柿の木を育てることからはじまります。
柿の木は大きく育ちたくさんの実をつけますが、カニは手が届かずサルに収穫をお願いします。
しかしずるいサルは甘い実を自分だけで食べ、未熟な渋い柿をカニに投げつけるのです。
このさるかに合戦に登場する柿は、一体どのような品種なのでしょうか?

まず、最初にサルが種を持っていることから、種のない平核無などの品種ではないことがわかりますね。
さらに、木になった柿の実をサルがそのまま食べて「甘くておいしい」と感じていることから、渋抜き処理をしなくても甘い完全甘柿の品種であるといえます。
先ほど説明した品種の中では、富有や次郎が当てはまります。
ただし、さるかに合戦は古くからあるお話ですから、富有などが栽培されるようになった明治時代より以前から栽培されている別の品種の柿なのでしょう。
今ではメジャーな完全甘柿ですが、昔は渋柿がほとんどでした。
そんな中でも、鎌倉時代から栽培されている「禅寺丸(ぜんじまる)」という完全甘柿の品種があるようで、もしかしたらさるかに合戦の柿はこの品種なのかもしれませんね。

■柿に含まれる栄養素と効果

それでは、柿に含まれる代表的な栄養素についてみていきましょう。

甘柿(生)可食部100gあたりの栄養素一覧
エネルギー 60kcal
タンパク質 0.4g
脂質 0.2g
炭水化物 15.9g
カリウム 170mg
βカロテン 17μg
βクリプトキサンチン 160μg
ビタミンC 70mg

※参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

甘柿と渋柿では含まれる成分にやや差がありますが、今回は一般的に生のまま食べられる甘柿について表にしました。
柿に豊富に含まれる栄養素について、それぞれの効果・働きをご紹介します。

◎カリウム

カリウムは体内の水分調整の役割を果たします。塩分の摂り過ぎなどにより余分に溜まった水分を排出するため、むくみの解消や血圧上昇を抑える効果が期待できます。

◎βカロテン

βカロテンはプロビタミンAと呼ばれる物質のひとつで、体内に吸収されると必要な分だけビタミンAに変換されます。ビタミンAとしては、視力の正常維持、免疫力アップ、皮膚・粘膜の正常維持といった働きがあります。また、βカロテンはカロテノイド色素のひとつでもあり、抗酸化作用、抗ガン作用があります。このため、アンチエイジングや生活習慣病の予防にもつながります。

◎βクリプトキサンチン

βクリプトキサンチンもβカロテンと同様に、プロビタミンA、カロテノイド色素のひとつです。視力の正常維持、免疫力アップ、皮膚・粘膜の正常維持の他、抗酸化作用、抗ガン作用があります。

◎ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンで、体内の物質代謝や酸化還元反応などに広く必要とされる成分です。免疫力アップやコラーゲンの生成を助けます。また、鉄分の吸収を促進する作用があり、貧血の予防・改善にも効果的です。さらに、抗酸化作用がありアンチエイジングや生活習慣病の予防にも役立ちます。

◎タンニン

食品成分表には記載がありませんが、柿には豊富なタンニンが含まれます。先ほども説明したように、タンニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があります。このため、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果が期待できます。

◎柿に含まれる栄養素のまとめ

まず、なんといっても柿はビタミンCが豊富です。みかんの2倍程になります。

柿に含まれるタンニンの一種のシブオールは、二日酔いの原因となる物質のアセトアルデヒドを分解する働きがあるため、飲酒前に柿を食べると二日酔いの予防に繋がります。他にも殺菌、消炎作用があり、更に血圧を下げる働きもあります。

毒素を排出するカリウムの利尿作用も合わせると、更に二日酔い改善に期待ができます。

柿の中には、カロテノイドの一種で、抗ガン作用のあるクリプトキサンチンと、同じくがん予防の効果があるビタミンCが共存しています。柿の鮮やかなオレンジ色はβカロテン、リコピンによるもので、どちらもの抗酸化作用によるガンの予防に繋がる栄養素です。

柿の主な効果:高血圧予防、がん予防、利尿作用、アルコール分解、二日酔い予防と回復、免疫力アップなど

◎柿の食べすぎには要注意

柿は食物繊維が豊富で、適量を食べると便秘改善の効果がありますが、食べ過ぎると逆効果となります。柿に含まれるタンニンは腸に膜を張り、腸の働きを阻害します。これが便秘の原因となり、更に消化の悪い柿を食べ続けると、消化不良を引き起こして下痢の原因になります。

目安は大きめサイズで1日1個までと言われていますが、個人差がありますので、体調に合わせて食べる量を調整してください。

■おいしい柿を見極めるポイント

柿には豊富な栄養素が含まれていることがわかりました。
せっかく柿を食べるのであれば、よりおいしい柿を選びたいですよね。
おいしい柿を選ぶためのポイントをご紹介します。

◎ヘタ

鮮度がよくおいしい柿は、ヘタがきれいで実との間に隙間がありません。ヘタと実の間に隙間があると、そこに虫が入り込んだり傷んだりしている場合があります。

◎実

鮮度がよく甘味の強い柿は、実全体にハリがあり、ツヤがかかっています。さらに、実の色は鮮やかで全体が均一に色付いています。

◎重さ

甘味の強い柿は、手で持ったときにずっしりと重みがあります。甘味が凝縮されることで、重量感が増すのです。まずは見た目からおいしい柿を選び、実際に手で持ってみて重みも確認してみましょう。

■柿の上手な保存方法

柿をおいしく長持ちさせるためには、保存方法にもコツがあります。
柿を上手に保存するには、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。
購入したときの柿の状態にもよりますが、この方法だと1週間~1ヶ月ほど保存が可能です。

実がかたく食べ頃ではない場合は、常温で1~2日ほど保存するとやわらかく食べやすい状態になります。
逆に、柔らかくなりすぎてしまった場合には、柿のヘタと皮を取り除いて冷凍保存すると、シャーベットのようにシャリシャリ食感を楽しむこともできますよ。

■柿の食べ方アレンジ

柿を食べるときは、生のままカットして食べるのが一般的ですよね。
しかし、ただそのまま食べるだけではもったいない!
デザートやおやつとしてだけではなく、食事の一品として取り入れてもおいしくいただけるのです。

そんな一品としておすすめなのが「柿とチーズのサラダ」です。

柿を食べやすい大きさにカットし、チーズとお好みの野菜、ドレッシングと合わせます。
具材は基本的にお好みのものでOKですが、チーズはモッツァレラチーズカッテージチーズ、野菜はブロッコリーカブ春菊などが特におすすめです。
ドレッシングはイタリアンドレッシングビネガーが効いたさっぱりしたものがよく合います。
秋は柿がたくさん出回りますから、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

 

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