■タケノコの雑学、歴史・京都府民共のタケノコ愛
和食と中華料理で広く使われる淡色野菜です。
パンダの餌にして、京都府民の餌。
消費量ナンバー1が京都です………どす。

タケノコ生産地ランキングは福岡、鹿児島、熊本と九州勢に続続いて、消費量№1の京都が性懲りも無く4位にランクインしています。
タケノコは以外なことに稲科の植物です。
その名の通り竹の子供で、すくすく成長すると竹になります。
地下茎から上に伸びた若い茎をタケノコと呼ぶのですが地面から10㎝以上顔を出したものは硬くなり、えぐみが出て不味くなるようです。

日本国民を2分する一大派閥の片割れです。

タケノコを包んでいる茶色い外皮には、殺菌効果・防腐効果があります。腐りにくく、乾燥しにくく、逆に蒸れにくいため適度な水分を保てます。おにぎりを包むには最適で、弁当の包みとして昔からよく利用されてきました。(※食べたい人は食べてもいいけど、食べられません)
タケノコは春先、気温が上昇して地表温度が10度を超えると1日に数10㎝も一気身長がニョキッと伸びる場合もあります。こうなってしまうと最早食べることは叶わず、足の裏を刺激する健康器具や、無駄にそうめんを流すためだけのツールになるなど、屈強な京都府民かパンダ以外は食べることが出来なくなります。

■タケノコに含まれる栄養素、効果と働き
◎タケノコに含まれる栄養素、効果と働きその1・タケノコに含まれるビタミン類
タケノコに含まれているビタミン類で多く含まれているのはビタミンB群の3種です。
まずは、糖質からエネルギーを作り出したり、疲労回復効果や脳や神経機能の維持に働くビタミンB1と、黄色いオシッコの原因となっている黄色い蛍光色カラーのビタミンで、三大栄養素………特にタンパク質の代謝をサポートして、皮膚や粘膜の健康を維持する働きを持つビタミンB2と、最後に胎児の成長には欠かせないビタミンで、血液の製造をサポートして、鉄分補給では改善しない悪性貧血を予防する造血のビタミンこと葉酸の3つです。
タケノコは淡色野菜なので、ビタミンA(βカロテン)は殆ど含まれておらず、その他の脂溶性ビタミンや、ビタミンB群も微妙な数値となっております。コラーゲンの合成、抗酸化作用、抗ストレスに効果があるビタミンCは、タケノコ100g中に、成人が一日必要な推奨量の1割程度入っています。この数値を多いという人もいれば、少ないという人もいます。多いか少ないかはその人の食生活にもよるので、この場はお茶を濁しておきます。
◎タケノコに含まれる栄養素、効果と働きその2・タケノコに含まれるミネラル類
淡色野菜ではビタミン類が少ないのだけれども、その代わりミネラルは多いぞコノヤロー!というパターンをよく見かけます。
勿論例外もありますが、色の濃い野菜はビタミンが豊富で、見た目が地味な野菜はミネラルが豊富といったヤンワリとした法則があるのかもしれません。
タケノコもこのヤンワリ法則に乗っ取って、ミネラル類が豊富に含まれています。
まず一番目立つのがカリウムです。余分なナトリウムを排出してむくみや高血圧を予防・改善する効果があります。タケノコ自体にナトリウムは含まれていないため、高血圧の予防を狙うには最適な食材です。
骨の原料となるカルシウムとマグネシウム、それと摂り過ぎ注意のリンなども含まれているのですが、こちらはあまり高い数字ではありません。タケノコメインで骨太効果を狙うには難しい数字です。
ヘモグロビンの材料となる鉄分が多く、またヘモグロビンを製造する酵素の材料となる銅も含まれているため、鉄欠乏性貧血の予防と改善には効果的です。タケノコには血液の製造をサポートする造血ビタミンの葉酸も多く含まれていますので、これらの栄養素の連携は貧血の予防と改善に期待できます。
マンガンも多く含まれており、エネルギーやタンパク質の合成など、様々な代謝に関わっています。タケノコにも少し含まれている亜鉛や銅と共に、強い抗酸化作用を持ったSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という酵素の材料となり、ガン予防や動脈硬化を予防する働きをしています。
◎タケノコに含まれる栄養素、効果と働きその3・神経伝達物質として働くアミノ酸
タケノコに含まれるチロシンというアミノ酸の一種が脳を活性化させる働きがあり、認知症の予防に有効とされています。チロシンはドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンなどの脳内で作用する神経伝達物質や甲状腺ホルモンの材料となります。また、皮膚や髪に含まれており、紫外線(UV)を防ぐ黒色色素成分のメラニンの材料にもなります。
旨味成分でアスパラガスに多く含まれているアミノ酸のアスパラギン酸は、タケノコにも多く含まれています。神経伝達物質として働き、エネルギー代謝を促して(高めて)疲労回復やスタミナの増強などの効果があります。カリウムやマグネシウを細胞内に効率良く取り込む働きもあり、 栄養ドリンクなどによく使われている栄養素です。因みにチロシンもアスパラギン酸は必須アミノ酸ではありませんが大事な働きをする栄養素です。

食材の名前がついている栄養素もチラホラと見かけます。アスパラギン酸はお察しの通り、アスパラから発見されて命名されたアミノ酸です。もしもタケノコから発見されていたらタケノコドン酸とかって名前になっていた可能性も………。
◎タケノコに含まれる栄養素、効果と働きその4・三大栄養素のバランス
タケノコはタンパク質が多く、糖質と脂質が少なく、コレステロールは含まれていない低カロリー食品です。食物繊維はブロッコリー、大根に次いで多く含まれており、不溶性食物繊維のセルロースやリグニンは、腸内の有害物質や老廃物を吸着して便として排出など、腸内環境を良くしたり、免疫機能を上げたり、コレステロールの吸収を抑えたりする効果が期待できます。
コレステロール値が高い人にとっては、コレステロールが含まれておらず、その上コレステロールを下げる働きを持つタケノコは都合の良い食材になります。
糖質と脂質が少なく、高タンパクで、低カロリーで食物繊維も豊富となればダイエットフードとしてはかなり優秀な部類です。

※腸内ポリープなどが出来やすい体質の人は、食物繊維が多い食品を摂り過ぎると良くないという研究結果もあるのでご注意ください。
◎タケノコに含まれる栄養素、効果と働き・まとめ
疲労回復、皮膚や粘膜の健康維持、脳や神経機能の健康維持、整腸作用、コレステロール値の低下、免疫力向上、抗酸化作用によるガン予防・動脈硬化予防、鉄欠乏性貧血の予防・改善、胎児の成長、ナトリウム排出による高血圧予防・むくみの解消、エネルギー代謝など
◎タケノコ可食部100g中に含まれる栄養素一覧
エネルギー | 26kcal |
---|---|
タンパク質 | 3.6g |
脂質 | 0.2g |
糖質 | 1.5g |
食物繊維 | 2.8g |
カリウム | 520mg |
カルシウム | 16mg |
マグネシウム | 13mg |
リン | 62mg |
鉄分 | 0.4mg |
亜鉛 | 1.3mg |
銅 | 0.13mg |
マンガン | 0.86mg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.11mg |
葉酸 | 63μg |
ビタミンC | 10mg |
タケノコに含まれているビタミンCは、成人の場合1日の必要量の1割程度です。この数字が多いか少ないかは食生活によって変わってきますので、足りないという方は、他の野菜や果物などで補って下さい。
■タケノコのお勧め調理法・相性の良い食材
◎灰汁抜きを兼ねて、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸を除去
食材を組み合わせる注意事項として、タケノコに含まれるえぐみ成分で、ほうれん草にも多く含まれるシュウ酸がカルシウムの吸収を阻害してしまいます。タケノコを茹でる時、米のとぎ汁か、ぬか(ぬか漬けのぬか)を入れて茹でると、シュウ酸が茹で汁に溶け出してタケノコのえぐみが消えます。只の水で茹でるよりも数十倍の効果があり、タケノコにあまり多く入っていないカルシウムを補うために、カルシウムの多い小松菜や小魚などの食材と合わせて料理を作る場合、カルシウムの吸収率が下がらなくなります。また、ぬかに含まれるデンプンがタケノコの酸化を防いで、タケノコの表面を白く綺麗に仕上げる効果もあります。この下ゆではアク抜きにもなりますので一石二鳥になります。
◎アミノ酸のチロシンの働きをサポートして認知症の予防に………。
タケノコを茹でると表面に白い粒が付着することがありますが、これは↑で説明したアミノ酸の一種のチロシンです。食べても問題無いばかりか、脳の老化を防止する大事な栄養素ですので、取り除かないでそのまま食べることをお勧めします。

チロシンを活かす食材としてはタケノコと相性の良い鶏肉と鰹節がお勧めです。植物性食品であるタケノコには全く含まれていないビタミンB12摂取することができます。タケノコには葉酸が多いためビタミンB12を補えば、造血ビタミンコンビの結成を狙えます。(悪性貧血の予防と改善)
タケノコを使った煮物を作る時に鰹節を入れると鰹節に含まれるイノシン酸が認知症の予防に効果的です。チロシンとの相乗効果が期待できるので、味付けと認知症予防とで、2度美味しく仕上がります。

更に、鶏肉にもチロシンが含まれているため、タケノコじゃチロシン感が足りていないと感じている方はタケノコと一緒に鶏肉を食べるとチロシンの摂取量も上がります。
認知症の予防には中鎖脂肪酸が多く含まれているココナッツオイルもお勧めです。タケノコとどうやって組み合わせれば良いのかは………そんなん知らん。
◎タケノコの持つ抗酸化作用(SOD)を強化、面倒なら全部まとめて炊き込みご飯へ
淡色野菜のタケノコにはβカロテン(ビタミンA)が殆ど含まれておらず、それを補う為に緑黄色野菜と一緒に食べるのが効果的です。タケノコと一緒に、煮物にする場合は、人参や小松菜、ネギ(………の緑色の部分、今回白は要らん)などを使うのが無難な選択です。
タケノコに含まれるマンガンや亜鉛や銅などから合成される強い抗酸化作用を持つSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)と、緑黄色野菜に多く含まれている色素成分のポリフェノールやカロテノイドの持つ抗酸化作用を合わせると、動脈硬化の予防やガンの予防に効果的です。
ゴボウにもポリフェノールが多く含まれています。人参、ゴボウ、鶏肉、タケノコを細かく切って醤油、みりん、鰹出汁、炊飯器に放り込むだけで簡単にまとめて調理が出来るのでお手軽です。
本格的な炊き込みご飯を作りたい場合は、具材を一度油で炒めてから炊飯器にブッ込むと具材の風味や味が引き立ちます。具の量の目安は米の量の3分の一程度です。

■タケノコの種類・品種 メンマもタケノコ
◎孟宗竹(もうそうちく)
一番多く流通している品種です。肉質が柔らかくサイズが大きいのが特徴です。スーパーで見かける品種は大体コイツ。「朝掘り」と呼ばれる掘りたてのものはえぐみが無く、灰汁抜きも必要ありません。生でも囓れるくらいです。店頭に並んでいる物はえぐみが出ている場合が多く、灰汁抜きが必要になります。大半が地面に埋まっているため、地面からチョロッと顔を出しているものを掘りだします。
タケノコサイズ分、地面から顔を出している物は成長しすぎて食用には適しません。
旬:3月末~5月上旬
◎姫タケノコ
別名:千鳥笹・葉タケノコ・根曲がりダケ
鳥取県よりも北の地方に生息しています。えぐみが無く、香りも良く、食感も良く、灰汁抜きをしないでも食べられる便利な品種です。細くて小さいのが特徴です。
◎真竹(まだけ)
灰汁が強く、苦味があり、日本で昔から栽培されている品種です。孟宗竹と違って、地面からガッツリ顔を出していても食べられます。
◎麻竹(まちく)
別名:しなちく
メンマの材料、メンマうまし。
タケノコを細く切って、蒸して、発酵させて、天日干しにして、塩漬けにして、塩抜きして、調味料で煮たのがメンマ。メンマは中国人の執念が生み出した加工食品です。
■良いタケノコの選び方
- 穂先は黄色いものが新鮮で、緑色か黒くなっているものはえぐみが強くなります。
- 根元に見える茶色い斑点の色が薄く、切り口は白くみずみずしいものが新鮮です。
- 皮の表面がしっとりしていてツヤがあり、太くズッシリと重いもの。
■タケノコの保存方法
収穫後、生の状態のまま放置すると時間が経つにつれてえぐみが増して固くなっていきます。
↑上で解説しましたアク抜きを兼ねてシュウ酸を除去した後に、水を入れた容器に入れて冷蔵庫で保存して下さい。毎日水を替えれば一週間くらい持ちます。