■ネギのはじまり物語
ねぎはユリ科です。漢字で葱、カタカナでネギ。
ネギは古くから日本人と共にありました。
奈良時代、チャイナっぽい感じの所から持ってこられて日本に伝わったジャパニーズ=リーサルウェポン。それがネギです。
ネギは古事記、日本書紀に登場します。ネギは昔から、常に日本人の隣に置いてありました。
江戸時代の関西人が「関東人は田舎者だから、白い根の部分まで食べる」。
逆に関東人は「関西人はケチだから、青い部分まで食べてしまう」とお互いを笑っていました。
関東は、長ネギ。関西では、青ネギが主流で、実際のところは品種と栽培法が違うために起きた誤解です。
■ネギの効果と栄養素と臭み
◎ネギはただ臭いだけではありません。
ネギ臭い成分兼、辛み成分であるアリシン(硫化アリル)は、一見(一嗅)要らない子に見えますが、全然そんなことはありません。
アリシンは、ビタミンB1と合体すると正義の力に目覚めてアリチアミンに変身します。
ビタミンB1の詳細はコチラ↓
◎ビタミンB1 ~さらばポッチャリ体型、さらば小松君、エネルギー製造と疲労回復栄養素~
アリチアミンはビタミンB1の吸収を上げる作用があり、ビタミンB1の疲労回復効果、糖の代謝によるぽっちゃり体型撲滅効果が期待できます。
アリシンはその他にも、食欲増進や消化促進、抗菌作用などの効果があります。
更には、風邪の症状、喉の痛みを緩和する効果もあります。
◎ネギには安眠効果が………。
これは栄養とは呼べませんが、臭い成分アリシンには鎮静作用があり、これは食べるのでは無く、ネギ臭い香りが鼻から入ると、ストレスの緩和や不眠予防の効果があります。
ネギとまな板と包丁を寝る前に、枕元に忍ばせ細かく刻み、クンカクンカするとよく眠れる様になります。さあ、存分にお嗅ぎなされ。

◎ネギはビタミン類やカルシウムも豊富です。
アリシンの他にもミネラル類では意外とカルシウムが豊富で、血圧を下げるカリウム、貧血予防の鉄分などが含まれています。
ビタミン類では、カルシウムの吸収率を上げるビタミンC、造血ビタミンの葉酸、皮膚の健康を保つビタミンA(βカロテン)など、種類も量も多く含まれています。
腸内環境を改善する食物繊維も豊富です。
緑色と白色の部分では含まれる栄養素が異なります。
緑色の部分には、βカロテン、ビタミンCカリウム、カルシウム。
白い部分にはビタミンC、食物繊維、が含まれています。
栄養を意識して分りやすく色で使い分けると、効率よく栄養補給が可能です。
◎ネギの効果と働きまとめ
疲労回復、便秘予防・改善、がん予防、血行促進、高血圧予防・改善、骨の健康維持、動脈硬化予防、食欲増進・消化促進、、鎮静作用・不眠改善、抗菌作用、ネギ臭い成分の散布。
◎ネギ可食部100g中に含まれる栄養素
▼根深ねぎ(長ねぎ)可食部100g
エネルギー | 34kcal |
タンパク質 | 1.4g |
糖質 | 0.1g |
カルシウム | 36mg |
鉄分 | 0.3mg |
カリウム | 180mg |
マグネシウム | 11mg |
ビタミンA(βカロテン) | 14μg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.11mg |
ナイアシン | 0.4mg |
葉酸 | 56μg |
パントテン酸 | 0.14mg |
ビタミンC | 14mg |
食物繊維 | 2.5g |
▼葉ねぎ(青ネギ)
エネルギー | 31kcal |
タンパク質 | 1.5g |
糖質 | 0.3 |
カルシウム | 54mg |
鉄分 | 0.7mg |
カリウム | 220mg |
マグネシウム | 18mg |
ビタミンA(βカロテン) | 1900μg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.09mg |
ビタミンB6 | 0.12mg |
ナイアシン | 0.5mg |
葉酸 | 110μg |
パントテン酸 | 0.24mg |
ビタミンC | 31mg |
食物繊維 | 2.9g |
■ねぎの種類 ~結局のところ緑黄色野菜なの?淡色野菜なの?~
結局のところ、ネギは緑黄色野菜でもあり、結局のところ、淡色野菜でもあります。
結局のところ、緑黄色野菜の品種もあれば、ぶっちゃけ淡色野菜の品種もあります。
◎深根ネギ(長ネギ、白ネギ)
白い部分が多いのが特徴です。関東で多く生産され、消費されている品種です。コレで太股の裏側を叩かれると非常に痛い。
旬:11~12月
◎葉ねぎ(青ネギ)【緑黄色野菜】
緑色の部分(葉)が多いのが特徴です。
βカロテンが豊富に含まれており、緑黄色野菜に属しています。関西と言えばこっちの品種です。コレで太股の裏側を叩かれるとそこそこ痛い。
旬:春4月~6月、秋10月~12月
関東でェ………とか、関西でぇ………とか、関西風ぅ、関東風ゥプーなど、何かにつけて日本を左右に両断しますけれども、その度に!、真ん中で!、ひっそりと!、静かに!、暮らしている!、中部地方の人間!―――具体的には愛知県民と岐阜県民と、愛知と岐阜の上に乗ってる名前の知らない地域。一人だけ日本海の、佐渡島の方向へ向かってハミ出していて、加賀れんこんや、金沢春菊といった金沢市農産物ブランド協会が「加賀野菜」と認定した名産品で知られる謎の都道府県はどう反応すれば良いのかッ!!やれ関西だ、やれ関東がなんだ、という話題が出る度、ハブられる真ん中の人達の気持ちを考えた事あるのかッ!


◎赤ねぎ
白い部分の下半分が赤いネギ。一見強そうに見えて一皮剥けば中は白い。近所のスーパーに売っておらず、調べていないので詳細は不明。コレで太股の裏側を叩かれたことある人、感想を募集しています。
◎ノビル
ネギ?近所の公園や河原に生える野生の草。
ネギの子供?いやいや、ネギかこれ?コレで太股の裏側を叩かれても全然余裕。
ユリ科ネギ属の多年草。ってことはネギか………。本当にネギか?
◎浅葱(あさつき)
別名えぞネギ、糸ネギ、ネギ類の中でも一番細くビタミンB6が豊富。昔、山とか、どっかそのへんに生えていた野生のねぎ。
旬:2~4月
ビタミンA、Cなどのビタミン類が多く含まれており、特にビタミンB6が豊富です。
◎リーキ
人生(ネギ生)太く短く、を体現しているように他のネギと比べて太くて短い姿形をしています。西洋のネギで別名ポロネギとも言います。
仏語名:ポワロー、英語名:リーキ。
旬:11~3月
他の品種と同じように、ネギ臭い成分のアリシンによる様々な効果が期待でき、栄養素の特徴としてはカリウムとビタミンB6を豊富に含んだ品種です。
柔らかく、甘みがあり、巻きが多く煮崩れしにくいため、サラダに適しています。
軽く握るのには都合の良いサイズで、白い部分を握っていると見えない力が働いて何故かホッとします。
不安を感じる時やイライラした時、手のひらに乗せて軽く握ってみると、ストレス解消に役立ちます。(※効果には個人差があります)
■ネギのお勧め調理法
ネギはビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。
ビタミンB1を多く含む食品と一緒に食べるのが、ネギを活かすポイントです。
刻んだネギを水につけると、辛みとネギ臭さが薄れます。
臭い成分である水溶性のアリシンがに溶け出しているからです。
ネギの有り難い機能の殆どは、アリシンの働きによる物で、溶け出した水を捨ててしまうと様々な効果も失われます。同じ理由から茹でるという調理方法はお勧めできません。
ビタミンB1が豊富な豚肉と一緒に炒める調理法がお勧めです。
味を気にしないなら、ビタミンB1入りのお菓子ビスコを食べる時、ネギも一緒に口の中に放り込むと効率良くビタミンB1を摂取することができます。
アリシンは水溶性でもあり、揮発性も持っています。刻んで放置していると、アリシンは空気中に旅立って行ってしまうため、食べる直前に刻む事をお勧めします。
普段からねぎを薬味として利用している大人の味覚を持っている方は、タイミングが要注意です。
■品質の良いネギの選び方
青ネギの場合
緑の部分は真っ直ぐで色が濃いもの。
長ネギの場合
白い部分は弾力があって身が締まって光沢があるもの。
■ネギの上手な保存方法
新聞紙で包み、冷暗所に保管。カットした場合はビニールに入れて、密閉して冷蔵庫へ保管。
ネギの事ばっかり考えていたら、心なしか鼻の奥がねぎ臭く感じます。