気温が低く空気が乾燥した秋・冬の季節は、身体の免疫機能が下がり、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスや細菌にとっては都合のよい環境になってしまいます。
季節に関係なく、常日頃からウイルスや菌から身体を守るためには、身体の防御機能や皮膚・粘膜の機能を保ち、体温を上げることなど、身体の免疫力を上げて病気に負けないような身体の状態を維持することが大切です。
今回は免疫力アップのための栄養素と、その食材を活かしたレシピをご紹介します。
■美味しく食べて風邪予防!免疫力アップの栄養素・食材
◎皮膚や粘膜の免疫力を高める ビタミンA
ほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは体内でビタミンAに変化する性質があります。
ビタミンAはウイルスや菌の侵入経路となる鼻や口の粘膜の免疫機能を強化する効果があり、風邪などの感染症予防には有効な栄養素です。今回ご紹介するレシピで使用する食材の中では、にんじんと豆苗が緑黄色野菜になります。
▼緑黄色野菜とは
カロテンを可食部100g中に600マイクログラム(600μg)以上含む野菜の総称のことを緑黄色野菜と言います。色の濃い野菜が緑黄色野菜というイメージですが皮や表面だけでなく、切った時に中まで濃い色の野菜が緑黄色野菜と覚えてください。この緑黄色野菜は1日、120g摂ることを推奨されています。
※トマト、ピーマンなど一部の野菜はカロテン含量が600μ未満ですが、一度に食べる量や頻度が高いと考えられるため、緑黄色野菜とされています。
▼緑黄色野菜
アスパラガス、いんげんまめ(さやいんげん)、豆苗、さやえんどう、かぶの葉、かぼちゃ、クレソン、ケール、こまつな、かいわれだいこん、だいこんの葉、チンゲンサイ、トマト、にら、にんじん、青ピーマン、赤ピーマン、ブロッコリー、ほうれんそう、みずかけな、サラダ菜など
◎身体の免疫機能である白血球の働きを高める ビタミンC
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれるものですが、水溶性ビタミンの一つなので身体に蓄積されません。つまり、まとめて大量にとるより、毎日少しづつでも取る方が効果的です。
▼ビタミンCを多く含む野菜・果物
野菜:赤ピーマン、黄ピーマン、青ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、かぶの葉・カリフラワー・ケール・豆苗・ゴーヤ・ルッコラ・からしな
果物:アセロラ・グァバ・ゆず・キウイフルーツ・すだち・レモン・かき・キウイフルーツ・いちご・オレンジ・グレープフルーツ・パパイア
◎体温アップで菌に打ち勝つ ジンゲオール
体を温めるイメージのあるしょうがは、火を通すことによって、ジンゲロールがジンゲオールという成分に代わり、体温を上昇させる効果があります。体温が上がると身体の免疫能は活性化し、風邪をひきにくい状態になります。
■【中から身体をほっこり温めて美味しく風邪予防 レシピ】いろどり野菜としょうがの豆腐あんかけ
◎レシピの効果について
- 免疫力アップ食材でご紹介した緑黄色野菜のにんじんと、ビタミンCも豊富な豆苗を使ったレシピです。体温アップ食材のしょうがをどっさり使い、寒い季節に身体が温まる中華風のあんかけにしました。しょうがと、あんかけのW効果で身体を中から暖めるレシピです。
- ごま油は風味付けだけでなく、緑黄色野菜のカロテン(ビタミンA)の吸収を良くする効果があります。
◎材料(2人分)
・絹ごし豆腐 (1/2丁)
・にんじん (1/3本)
・豆苗(1パック)
・えのき(1/2パック)
・しょうが 2かけ(30g)
・塩コショウ 少々
★中華だしの素 小さじ2
★しょうゆ 小さじ1
★みりん 小さじ2
★水 300ml
・ごま油 大さじ1(炒め用)
・ごま油 小さじ1(仕上げ用)
・片栗粉 大さじ1
◎作り方
①豆腐を4等分、にんじんを短冊切りにして、豆苗とエノキの根を落としてから一口大に切ります。
② 小鍋に★(調味料)と、豆腐をいれて一煮たちさせてから、いったん鍋から豆腐を引き上げておきます。(※1調理のポイントで解説します。)
③フライパンにごま油をひき、にんじん、豆苗、エノキを炒めて、塩コショウで軽く下味をつけます。
④ ③で炒めた野菜を、②の鍋(出汁)に入れて、すりおろしたしょうがと、風味付けにごま油を加えて味を調えます。(※2調理のポイントで解説します。)
⑤ とろみをつけるため、大さじ1(片栗粉と同量)の水で溶いた水溶き片栗粉を入れて、②の豆腐を鍋に戻して豆腐が温まったら完成です。
◎料理のポイント 注意点
(※1)絹ごし豆腐は煮崩れやすく、火が入りすぎると鬆(※気泡)が入り、食感も悪くなるため下味をつける程度で火から外しておきます。
(※2)新鮮なしょうがは皮が柔らかいので、丸ごと食べられます。よく洗って皮付きのまますりおろすと香りも強く、栄養素が無駄になりません。
◎料理(一人分)に含まれる栄養素一覧
▼料理(一人分)に含まれる栄養情報一覧】(※レシピの材料は2人分です) | |
エネルギー | 188kcal |
たんぱく質 | 7.6g |
脂質 | 11.0g |
カルシウム | 64mg |
食物繊維 | 3.6g |
βカロチン当量 | 3316μg |
ビタミンC | 19mg |
◎料理の効果まとめ
免疫力の向上・抗酸化作用・動脈硬化予防(豆苗、にんじん)、体温上昇・冷え改善(しょうが)、骨の健康維持(豆腐、豆苗、にんじん)
◎最後に一言アドバイス
緑黄色野菜を使っているため彩りも良く、10分でできる簡単副菜レシピなので、あともう一品欲しい!という時にも、サッと作れます。しょうがの香りと辛みが食欲をそそる、大人向けの冬に食べたい料理です。
豆苗とえのきのシャキシャキした歯ごたえと、豆腐とあんのつるっとした食感の組み合わせを試してみてください。