■なぜ人の体は疲れるのか
疲れや倦怠感は大きく肉体的疲労と精神的疲労に分けられます。肉体疲労の原因としてはエネルギー不足や、疲労物質の蓄積などがあげられます。精神的疲労の原因は主にストレスや悩み事による心の乱れによるものです。
◎疲労回復に必要な栄養素
ビタミンB₁ 炭水化物をエネルギーに変える際の働きや、神経を正常に保つために必要な栄養素です。
(豚肉、玄米、豆類)
ビタミンB₂ 糖質、たんぱく質、そして主に脂質の代謝必要な栄養素です。また、発育促進の役割や、皮膚、髪の毛など細胞の再生にも関わっています。
(レバー、牛乳、干しシイタケ、マッシュルーム)
ビタミンC ストレスの緩和に働く抗ストレスホルモンの原料となっているため、ストレスに対抗するためには欠かせない栄養素です。
(アセロラ、ピーマン、芽キャベツ、キウイフルーツ)
リコピン 非常に強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去する働きがあります。
(トマト、金時人参、スイカ、柿)
アスパラギン酸 アミノ酸の一つで、疲労回復やスタミナ増進などの生体内代謝に関わっています。また利尿作用があり、アンモニアなどの毒素を体外に排出する効果もあります。
(アスパラガス、大豆、枝豆、サトウキビ)
■疲労回復におすすめのレシピ
◎レシピの説明
レシピに含まれるビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンCはどれも水溶性のビタミンです。汁ごと食べられる煮込みなので、無駄なく栄養を摂取できます。また、にんにくや玉ねぎに含まれているアリル化合物は、ビタミンB₁のエネルギー代謝を助ける働きがあり、ビタミンB₁を多く含む豚肉と一緒に摂ることで、B₁の持つエネルギー代謝の効果を高めることができます。
◎材料
豚ロース薄切り 200g
トマト缶(カットトマト) 1缶(400g)
にんにく 1片
玉ねぎ 小1/2個
ピーマン 大きめ1個
大豆水煮 120g(200mlの計量カップ1杯分)
オリーブオイル 大匙1
砂糖 大匙1
ウスターソース 小匙1
コンソメ 小匙1(固形の場合は1/2個)
ケチャップ 大匙1
牛乳 大匙2
塩コショウ 少々
パルメザンチーズ お好みで
乾燥パセリ お好みで
◎作り方
① 玉ねぎを薄切り、ピーマンは1センチ角にして、にんにくは粗みじん切りにしておきます。
② 豚肉を一口大に切ってから塩コショウを振り、片栗粉を薄くまぶしておきます。
③ フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくを弱火で炒めます。
④ 豚肉を炒め、焼き色がついたら玉ねぎ、ピーマンを入れて炒めます。
⑤ 野菜がしんなりしてきたら、トマト缶と大豆の水煮、コンソメを加えて煮立たせます。
⑥ 砂糖、ウスターソース、ケチャップを加えて、コトコト煮込んでいきます。(弱火で10分)
⑦ 火が通って水分が少なくなったら、牛乳を加えて、再び煮立たせます。
⑧ お皿に盛り付け、お好みでチーズとパセリを振ったら完成です。
◎料理(一人分)に含まれる栄養情報一覧
料理(一人分)に含まれる栄養情報一覧 (※レシピの材料は2人分です) |
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エネルギー | 478kcal |
たんぱく質 | 27.9g |
脂質 | 30.3g |
ビタミンB₁ | 0.8mg |
ビタミンB₂ | 0.3mg |
ビタミンC | 27mg |
アスパラギン酸 | 1100mg |
◎失敗しないためのポイント
にんにくは焦げやすいので、弱火でじっくり炒めて下さい。にんにくの香りも出やすくなります。
豚肉は今回ロースの薄切りを使用しましたが、お好みのものを選んでいただいて大丈夫です。ただ、油の多いバラ肉などを使用すると脂肪分が増えるので注意してください。
トマト缶は今回カットトマトのタイプを使用しました。ホールトマトでも大丈夫ですが、鍋に入れた後にしっかり潰して下さい。
◎最後に一言アドバイス
疲れているときは食事がおろそかになりがちですが、睡眠、休養をしっかりとって、バランスの良い食事をとることは、疲労回復につながる第一歩です。疲労回復におすすめな豚肉は、味付けや野菜の組み合わせでいろいろなメニューにアレンジできるので、おすすめです。慢性疲労状態になる前に、体のサインに耳を傾け、上手に疲れを解消していくことが大切です。