■シビアなビタミンB群業界の実態に迫る。
なぜビタミンB群の名前は、こうもややこしいのか、名前の頭にBが付くB1、2、6、12、名前にBが付いていないビオチン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸。
実はビタミンB群の全てには、ちゃんと打順(番号)が割り振られています。
【バッターの図】
名前 | 打順 | ポジション |
◎ナイアシン | B3 | ショート |
◎パントテン酸 | B5 | ショート |
◎ビオチン | B7 | ショート |
◎葉酸 | B9 | 解説者 |
【バッターの画像その2】「ごめ~んバッター?ううん、今来たとこ」



簡単に説明すると、ビタミンB群をクビになりました。×4。
一度はビタミンB群と考えられ、打順を持っていましたが、成績が振るわず、後に「やっぱりコイツ等なんか違う、B群違う」とB群業界のコミッショナーに捨てられました。
しかし、一部の元B群(B4:アルギニン)なんかは、必須アミノ酸の一員としてプレミアリーグで活躍しています。
つまり、球児だと思われていたヤツは、実はバット持ってただけのサッカー選手だったという訳です。

しかしながら、全ての元B群がアルギニンのように新天地で成功している訳では無く。

10と11の正体は、只のビタミンB12と葉酸の化合物だったため、クビになった後、彼等の居場所は何所にもありませんでした。
風の噂では元10は、田舎に帰って実家の小さい総菜屋を継いだとか継いでいないとか………。元11は、3年前に夜の歓楽街で、その後ろ姿を目撃されて以降、足取りが掴めません。
ちなみにB13以降もありますが(B17とか)キリが無いので割愛します。


■ビオチンとは?
薬っぽい名前ですが、ビオチンはビタミンB群に属する栄養素です。薬じゃないと見せかけて、薬でもあります。(下のほうにちょろっと出てきます。)
上のほう↑で散々いじくりましたが、ビタミンB群に所属する栄養素です。ビタミンの中では一番説明がめんどくさい栄養素でもあります。
■ビオチンの働きと役割
カルボキシラーゼという名前の酵素の補酵素として、三大栄養素(タンパク質、糖質、脂質)の代謝を助ける働きます。
ビタミンB群と酵素の関係はコチラ↓
ビタミン ~五大栄養素が一画、ビタミンという言葉に秘められた意味とは?~
◎ビオチンは糖のリサイクル業者
糖質が体内でエネルギーに変わる時、ピルビン酸という乳酸がぴょこっと生まれます。
イキナリ話が変わりますが、ビオチンはカルボキシラーゼの補酵素となって、オキサロ酢酸なる物質を造り出します。
このぴょこっと生まれたピルビン酸を、4行上↑で造ったオキサロ酢酸が再びエネルギーに変えます。
片言解説「ビオチンが補酵素になってオキサロ酢酸を造る。オキサロ酢酸がピルビン酸をエネルギーに替える変える」
補酵素としての役割以外にも、皮膚や髪を健康に保つ働きがあり、抗炎症物質を生成してアトピーなどの皮膚炎を抑制します。
ビオチンは元々皮膚炎の改善する栄養素として発見されました。
ビタミンB7の他にビタミンHと呼ばれることもあります。Hはドイツ語でHaut、皮膚という意味です。栄養素でありながら、アトピー性皮膚炎を抑える薬としても利用されています。

ビオチンの主な働き:三大栄養素の代謝、皮膚炎の予防、髪の健康維持、相手投手が嫌がるような堅実なバッティング。

■ビオチンの性質
ビタミンB群なので、もちろん水溶性です。アルカリに弱く、食品の中に含まれるビオチンの多くは、タンパク質中に含まれるリジンという物質と結合しています。壊れにくく、調理中の損失の可能性は低いビタミンです。

■ビオチンの摂りすぎ、逆に不足するとどうなる?
◎ビオチンの過剰症
今のところ過剰症の事例はありません。
◎ビオチンの欠乏症
腸内細菌で合成されるため、欠乏症の心配は殆どありませんが、抗生物質により腸内細菌から合成が出来ない状態が続いた場合や、吸収を阻害する生の卵白(↓の方で詳しく説明します)の摂取が長期間続いた場合に欠乏症になる可能性があります。
腸内環境が整っていない乳児も欠乏症のより、皮膚炎になる場合があるため注意が必要です。
欠乏症によるおもな症状は、皮膚炎、結膜炎、脱毛、白髪化などです。
■ビオチンの効率の良い摂り方
(↑上の方で言ってた下の方というのはここ↓のこと)
ビオチンは生の卵白に含まれるタンパク質の一種のアビジンと結合すると、吸収されなくなります。

1日3食をすき焼き(生卵付)や卵かけご飯で過ごしている方は、ビオチンを摂取したつもりでも吸収されていない事がありますので、そこんとこだけ気をつけて下さい。
不足気味な人はピーナツやアーモンドでも摘まむと吉。納豆でも吉。通りすがりの鶏から肝臓を少し分けて貰うのも吉。
■ビオチンを多く含む食品
鶏レバー、卵黄、アーモンド、柿ピーのピー、まいたけ、えのき、ひらたけ、モロヘイヤ、枝豆、大豆、ごま。