■銅ってなに?
16種の必須ミネラルであり、微量ミネラルに属しています。
同じく必須ミネラルの鉄分の影に隠れがちですが、鉄分をアレコレサポートして貧血改善には不可欠なミネラルです。
■銅の働きと役割
◎銅の働きと役割その1 酵素の構成成分として、エネルギーの代謝や、色々な体の組織を作ります。
銅は、糖質・脂質の代謝に働く酵素の構成成分としてエネルギーの生産に役立っています。
銅の役割は他にもあります。
酵素の構成成分として、免疫力を高める働きや、骨や血管壁、皮膚の材料となるコラーゲンの生成や毛髪に含まれるメラニン色素の合成や神経伝達物質の生成に役立っています。
◎銅の働きと役割その2 貧血の予防と改善に鉄と銅
銅と鉄分は密接な関係です。
セルロプラスミンという名前の酵素があります。
血液中に存在するヘモグロビンは、鉄を材料にして作られている訳ですが、ヘモグロビンの合成にはセルロプラスミンは欠かせません。
銅がセルロプラスミンの成分となっているため、ヘモグロビンを作るためには、材料の鉄分だけでは無く、酵素の成分となる銅もまた、ヘモグロビンの合成には欠かせない重要な栄養素となります。
銅は小腸で鉄分の吸収を助ける働きもあり、鉄分にとって銅は、非常に重要なパートナーになるのです。

鉄欠乏性貧血の予防と改善のために鉄分を摂る方は多いかと思いますが、体内に鉄分があっても銅が無ければヘモグロビンの合成が出来ず。問題解決には至りません。
簡単に言えば、鉄は血の材料、銅は血を作る職人………の材料です。
鉄分だけ摂っても意味がありません、鉄分を活かす銅を摂取することが重要です。
片言要約:鉄+銅、重要、増血バンザイ。
◎銅の働きと役割その3 SODの構成成分です。抗酸化作用で、動脈硬化防止
銅は、亜鉛と共にSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という名前の酵素の構成成分になります。
SODには抗酸化作用があります。抗酸化作用による活性酸素を除去する働きは、動脈硬化防止やガン予防、老化防止に繋がります。
抗酸化作用についての詳細はこちら↓
◎ビタミンA~Aはβカロテンの覚醒後の姿。鳥目を防ぐ眼力アップの栄養素、目のビタミン~
◎銅の働きと役割・まとめ
銅の主な働き:鉄分の吸収を助ける、抗酸化作用による、ガン予防、免疫力向上、動脈硬化予防、コラーゲン生成(骨・血管壁の強化、皮膚の健康維持)、神経伝達の正常維持、鉄欠乏性貧血の予防・改善など。
■銅の性質・特徴 ~どんな栄養素?もう少し詳しく~
◎銅の特徴 銅は普段体内の何所にいる?吸収率と銅の旅立ち
体内に約80mg存在しており、その内の約50%が骨と筋肉に含まれており、10%が肝臓に貯蔵されています。
残りはタンパク質と結合した状態で血液中に存在しています。
銅の吸収率は44%~67%と言われています。
銅は小腸で吸収されます。体内で銅の量が増えると吸収率が下がり、逆に減ると吸収率が上がります。
過剰摂取した場合、小腸から胆汁と共に分泌されて便と共に排出されて下水道へと旅立っていきます。
◎THE・余談 タコとイカの血が青いのは銅が………。
人体では、血液中のヘモグロビンが全身に酸素を運びますが、イカやタコはヘモグロビンの代わりにヘモシアニンがその役割を果たしています。
ヘモグロビンはヘムという色素の影響で赤色になりますが、ヘモシアニンは銅の影響で青色になります。人の血はヘモグロビンで赤く、イカとタコの血はヘモシアニンで青くなっています。
赤い血が流れる牛レバーを食べると鉄が摂取できます。青い血が流れるタコやイカを食べると銅が摂取できるという訳です。
ちなみに甲殻類もヘモシアニン派に属していますので、全身青いエビやザリガニも存在します。



■銅の過剰症と欠乏症 ~摂りすぎ、逆に不足するとどうなる?~
◎銅の過剰症
銅を過剰に摂取した場合であっても、自然と吸収率が下がり、余剰分は便で体外に排出されるため、過剰症の心配は殆どありません。
◎銅の欠乏症
銅の摂取は通常の食事では欠乏症が起こることはありません。
鉄分や亜鉛、ビタミンCの大量摂取で銅の吸収が阻害されてしまいます。通常の食事であれば問題ありませんが、サプリメントの大量摂取は銅の不足へ繋がる場合があり、注意が必要です。
銅が不足すると、ヘモグロビンの生成が出来なくなり、鉄欠乏性貧血を起こします。他には、骨が脆くなり、髪の色素が抜ける、子供の場合は成長障害、といった症状があります。
■銅の効率の良い摂り方
エビ、カニ、イカ、タコ、貝類、レバー、豆類などに多く含まれています。
鉄分と亜鉛とビタミンCの大量摂取に気を付けていれば、摂取の難しい栄養素ではありません。純ココアもお勧めです。


■銅を多く含む食品
イイダコ、毛ガニ、ホタルイカ、シャコ、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、そら豆、大豆、納豆、高野豆腐、ココア、アーモンド、クルミなど