■カリウムとは
カリウムの語源はアラビア語で灰を意味する言葉です。カリウムが植物の灰に多く含まれることから付いた名前です。
英名はポタシウムです。ポット+灰でここでも木を燃やした灰が語源となっています。
名前の通り、植物に必要な栄養素で、肥料としても幅広く活用されています。
カリウムは灰ではなく、金属です。
体内に含まれるカリウムの量は体重の0.2%程です。その内98%が細胞内(細胞内液の中)に居ます。
では残りの2%は何所に居るかというと、細胞のすぐ外(細胞外液の中)で待機中です。
■カリウムの働きと役割
◎カリウムの働きと役割その1 ナトリウムと一緒に細胞の管理
細胞内の液体こと、細胞内液にはカリウムが多く含まれています。細胞外の液体こと細胞外液にはナトリウムが多く、この内外のミネラル量のバランスが重要です。水分やPH(酸、アルカリ濃度)、浸透圧(細胞内に余計な物質を入れないためのセキュリティ)、水分量などに影響を及ぼします。
このミネラルバランスが正常に保たれることで、細胞が良い感じに機能します。(正常に働きます)
カリウムはナトリウムの細胞内濃度を調節し、ナトリウム濃度が高くなると細胞外へ排出して細胞内のバランスを保つ働きをします。
◎カリウムの働きと役割その2 ナトリウム過剰摂取によるむくみ、高血圧の解消
塩分摂り過ぎ→細胞内のナトリウム濃度が上昇→細胞内の濃度を薄めるため水を注入→結果むくみ発生→膨れた細胞が血管を圧迫→高血圧注意報発令。
………と言う流れで、ナトリウムの過剰摂取は高血圧に繋がっている訳ですが、ナトリウムポンプと呼ばれる作用により、細胞内のナトリウム濃度はカリウムによって調節されています。
細胞内のナトリウム濃度が上昇すると、細胞内にカリウムを取り込んで、余分なナトリウムを細胞外へと追い出します。
今、もしかして………と思ったアナタ。そんな都合のいい話はありません。
縁日で釣ったバインバインの水風船が2日後やる気を無くしてしぼむような感じで、今さすっている下っ腹も自然にしぼむんじゃ無いの?っと考えているアナタです。
その下っ腹に詰められたものは水では無く脂です。カリウム摂っても、その下っ腹がしぼむことはりません。体脂肪を消費するには摂取では無く運動が必要です。
カリウムはナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿での排出を促します。この働きも高血圧を防ぐことに繋がっています。
◎カリウムの働きと役割その3 酵素の活性化、筋肉収縮、神経伝達
カリウムには、細胞内の酵素の反応を活性化して、
エネルギー代謝がスムーズに行えるようにサポートする働きがあります。
また、筋肉の収縮にも作用する他、ナトリウムと一緒に神経伝達機能を正常に維持しする働きもあります。
※詳細はナトリウム記事を参照してください。
◎カリウムの働きと役割・まとめ
ナトリウムとセットになって働いていることが多いカリウムですが、その反面、ナトリウムを排出するといった一見矛盾するような役割もあります。
細胞内のPH(アルカリ、酸の濃度)調節・浸透圧の調節・水分量の調節、ナトリウムの過剰抑制、筋肉収縮、神経伝達、酵素の活性化によるエネルギー代謝のサポート。
ナトリウムポンプと、昼下がりのカリウムとナトリウムの細胞内外事情の詳細についてはこちら↓
◎ナトリウム ~塩じゃ無いよ金属だよ。でも塩にもなるよ。細胞に居るよ。塩摂り過ぎるとムクむよ~
■カリウムの性質・特徴 ~どんな栄養素?もう少し詳しく~
熱に弱く、水に溶けやすい性質を持っています。
ナトリウムとカリウムは、小腸から吸収されます。摂取されたほぼ全てが吸収され、吸収された量と同じ量が尿や汗となって排出されるような仕組みが出来ています。

■カリウムの過剰症と欠乏症 ~摂りすぎ、逆に不足するとどうなる?~
◎カリウムの過剰症
過剰摂取した場合は尿や汗によって体外に排出されます。通常の食事では過剰症の心配はありません。
腎機能の低下により、尿の排出が困難な場合、上手く排出できずに高カリウム血症になる可能性場合があり、不整脈、低血圧などの症状を起こします。
◎カリウムの欠乏症
幅広い食品に含まれているため、欠乏症の症状が出る程不足するような状況はまずありません。
利尿剤の服用、下痢、大量の発汗などにより欠乏する可能性もあります。
高血圧、不整脈、筋力低下などの症状が起こります。
欠乏症では無く生活習慣病の予防を目的とした場合は、不足がちな栄養素と言えます。
■カリウムの効率の良い摂り方
葉野菜は調理中の損失に注意が必要です。
水洗い程度では損失率は低いですが、茹でたり、煮たり、塩もみしたりすると、細胞膜が破壊され、栄養素が水に溶け出してしまいます。
溶け出した煮汁ごと食べられる調理法がお勧めです。
カリウムを効率良く摂取するためには、ナトリウムとのバランスが大事です。
塩分の多いスープなどを飲んでしまうと逆効果になる場合があります。
濃い味付けをしていない、自然に近い食材の味を活かした料理がお勧めです。
カリウム1に対して、ナトリウム2以下の比率にすると、高血圧予防に効果があると言われています。
調理しないでそのまま食べられる食品では、バナナ、リンゴ、柿などの果物か、納豆での摂取が望ましいです。
■カリウムを多く含む食品程
バナナ、リンゴ、柿、キウイフルーツ、メロン、アボカド、ほうれん草、春菊、モロヘイヤ、里芋、じゃがいも、さつまいも、大豆、納豆、インゲン豆、ひじき、エリンギ、マカジキ、カツオ