漢字で書くと蛋白質。
カタカナで書くとタンパク質。
英語にすると、プロテイン。これはギリシャ語で『第一』と言う意味。
一昔前の暴走族用語で書くと”淡拍死尽”になります。よろしく………じゃなかった。夜路死苦。
■たんぱく質の働きと役割
たんぱく質は体重(人体)の五分の一を占めています。
人間の身体の七割が水で出来ているとか言われると、『へェ~多いな、人類皆みずみずしいな』と素直に驚く事ができますが、五分の一って言われても多いのか少ないのか、正直に言って感想に困る微妙な数字です。
たんぱく質は、アミノ酸という化合物が数十個~数百個連結してできています。筋肉、骨、血液、皮膚、頭髪、ホルモン物質、神経伝達物質などの材料となり、体内でエネルギー源にもなる栄養素です。

タンパク質も燃料です。意外と知られていない事実かも………。
免疫抗体の原料となるため、免疫力を高める働きもしています。
人間の身体は約10万種類のたんぱく質からできていますが、たんぱく質を構成しているのは、僅か20種類のアミノ酸です。体内では20種類のアミノ酸を元に、どうにか工夫して、組み合わせを変えることにより10万種類もののたんぱく質が造られます。
◎どっかで聞いた事がある必須アミノ酸
20種類のアミノ酸の中で、体内で造り出す事が出来ない9種類のアミノ酸があります。このクソ生意気な9種のアミノ酸を必須アミノ酸と言います。
バリン、ロイシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、スレオニン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、ロイシンの9つです。

◎プチ実験コーナー


■たんぱく質の種類
たんぱく質は大きく3つに分類されます。
◎単純たんぱく質
アミノ酸だけで構成された、純血の、血統書付きのたんぱく質。男の中の男という意味で、たんぱく質の中のたんぱく質であり、プロテインの中のプロテインであり、肉の中の肉と呼ぶには相応しい孤高の存在です。
少し名の通った有名な単純たんぱく質としては、コラーゲン、グルテンの素になるグルテニンなどがあります。
◎複合タンパク質
単純たんぱく質に他の物質(糖や脂質、色素など)が合体してできたハイブリット種。雑種と言うより、血統書付きの交配種と言ったイメージです。
一番有名な複合タンパク質と言えば………と言えば………答えはCMの後で………
一番有名な複合タンパク質と言えば………と言えば、ハイ一旦CMでーす。
答えはヘモグロビンでした。
どこかで聞いた事のあるようなリポビテリン。
逆に知名度ゼロのオボムコイド。

◎誘導たんぱく質
代表格はかの有名な………ゼラチン。
コラーゲンを煮詰めるとなんとなくゼラチンになります。
誘導たんぱく質は科学的な影響により変質したたんぱく質のことです。
■たんぱく質の性質
一言でたんぱく質と言っても様々な種類があり、その種類ごとに性質が異なります。
まずは単純たんぱく質から………。
◎アルブミン
卵白に含まれるオボアルブミン、牛乳の中に浮いてるラクトアルブミン、血液の流れの中で溺れている血清アルブミンの3種をアルブミンと呼びます。アルブミンは水溶性で、加熱すると固まる性質があります。
◎グロブリン
卵白、血液の中に含まれるグロブリン、大豆に潜むグリシニン、筋肉に住うミオシンの3種をグロブリンと呼びます。グロブリンは水に溶けず、塩溶液で溶け、熱で固まる性質があります。
◎グルテリン
米の中で眠るオリゼン、小麦の中に居座るグルテニンの2種をグルテリンと呼びます。
グルテリンは水にも塩溶液にも溶けず、薄い酸やアルカリに溶けます。
◎プロラミン
小麦に寄生するグリアジン、トウモロコシの同居人ツェインの2種をプロラミンと呼びます。プロラミンは水に溶けずアルコールに溶ける。

◎硬たんぱく質

ここまで↑が単純たんぱく質で、
ここから↓は複合たんぱく質です。
◎核たんぱく質
細胞核になるヒストン、染色体を構成します。小難しいので染色体を構成したらどうなるかまでは解りません。
◎糖たんぱく質
卵白に含まれるオボムコイド、血清の中に含まれるムチンの2種は糖たんぱく質と呼ばれ、たんぱく質に糖が結合して出来たものです。
◎リンたんぱく質
乳に含まれるカゼイン、卵黄に含まれるビテインの2種はリンたんぱく質と呼ばれ、たんぱく質にリン酸が結合して出来たものです。
◎色素たんぱく質
理科の教科書に載っている血液のヘモグロビン、理科の教科書に載っていない事にいじけて筋肉の中に引きこもったミオグロビンの2種は色素たんぱく質と呼ばれ、たんぱく質に色素が結合したハイカラなたんぱく質です。
◎リポたんぱく質
卵黄に含まれるリポビテリンは、リポたんぱく質と呼ばれ、リン脂質がたんぱく質に結合したものです。
ここまで↑が複合たんぱく質で、
ここから↓は誘導たんぱく質です。
◎誘導たんぱく質
ゼラチン=ゼリー。グミ=ゼラチン。ゼラチンはコラーゲン。
■たんぱく質の摂りすぎ、逆に不足するとどうなる?過剰症と欠乏症
◎たんぱく質の過剰症
摂りすぎたたんぱく質は尿によって排出されます。排出の際にカルシウムまでピャーッと一緒に飛び出して行ってしまうため、カルシウム不足の弊害に繋がります。腎臓へ負担が掛かり腎機能障害を起こす場合もあります。
◎たんぱく質の欠乏症
体内でたんぱく質が不足してしまうと、体力低下、免疫力低下、貧血、血管が弱くなることで、脳卒中の可能性が高くなり、子供の場合は成長障害を起こします。
■たんぱく質の効率の良い摂り方
たんぱく質は種類が豊富で、種類ごとにその役割、働きは様々なです。食品によっては一部のたんぱく質しか含まれないものもあるため、出来るだけ多くの種類のたんばく質を摂る為には、肉類、魚類、大豆、牛乳、卵などをバランス良く食べる必要があります。
たんぱく質を体内で分解したり合成したりするサポートをしているビタミンがビタミンB6その人です。
ビタミンB6はたんぱく質を多く含む魚や鳥肉にも含まれています。魚一切れ100g、肉100g、バナナ一本に含まれるビタミンB6の量は、成人が一日に必要な量の三分の一程です。
肉や魚を摂取する時には、ビタミンB6を含んでいる食材ニンニクやワサビなどの薬味を意識して一緒に食べるように心掛けて下さい。
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■たんぱく質を多く含む食品
肉、魚、卵、牛乳、チーズ、プロテイン入りの粉、または液体。