■ビタミンAは目のビタミン
ビタミンAは目の網膜中に存在するロドプシンの構成成分となります。
ロドプシンが光に反応し、その刺激が脳へと伝わり、暗い場所でも目が慣れて物が見えるようになる訳ですが、ビタミンAが不足してしまうと、ロドプシンが正常に合成されず、ビタミンAの欠乏症の症状の一つで、”暗い場所で物が見えにくい”、”暗い場所でなかなか目が慣れない”といった症状の夜盲症になります。
鳥は夜目が利かないと考えられていたことから、夜盲症のことを”鳥目”とも呼びます。
ちなみに鳥は、夜でもちゃんと見えていることが判り、”鳥目”という言葉は、鳥等にとっては不名誉な言いがかりで、何気ない一言であったとしても差別用語として受け止められる恐れがあります。
そこら中に居て、何かと忙しく地面を突っついている鳩等を見かけても、「おい鳥目野郎」、「そこな鳥目、くるしゅうない、ちこう寄れ」などといった表現はお控え下さい。

■ビタミンAの働きと役割
主に緑黄色野菜に多く含まれる栄養素です。
動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれるカロテノイドに分けられます。
ビタミン類の中で一番最初に発見されました。

聞き慣れたβカロテン、逆に聞き慣れないαカロテン&γカロテン、まるで古代の海洋生物のような偉そうで小難しい名前のクリプトキサンチンなどは、体内に入るとビタミンAと同じ働きをすることから、これらのカロテノイドはプロビタミンAと呼ばれています。
カロテノイドは動植物の中に含まれる脂溶性の色素成分で、600種類程発見されています。
βカロテンよりも強い抗酸化作用を持つ、トマトなどに含まれるリコピンなんかも有名ですが、リコピンはプロビタミンAではありません。
全てのカロテノイドは抗酸化作用を持っていますが、体内でビタミンA変化する物と、変化しない物とがあります。
◎余談 プロなんちゃらって何?
ちょっとここでビタミンDの話、人の皮膚に存在するコレステロールの一種の、7-デヒドロコレステロールが紫外線に当たると、ビタミンDになります。この7-デヒドロコレステロールはプロビタミンDと呼ばれ、プロ●▼×………と言う名前は、後々栄養素に変わる物質を指します。カロテノイドはプロビタミンAです。
◎ビタミンD ~リンやカルシウム吸収促進剤、骨太サポーター「太陽よオラに元気を分けてくれ」~

◎ビタミンAの働きと効果・まとめ
ビタミンAの主な働きと効果:呼吸器の粘膜を保護するため、鼻の粘膜を守り、ウィルスの感染を防ぐ効果があります。目とお肌の健康維持、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化予防、抗ガン作用、コレステロール値抑制、免疫力アップなど。
■ビタミンAの性質
水溶性ではありませんが、脂溶性で油に溶ける性質が有ります。熱や光、空気や酸に弱く調理法によっては損失が多くなるため、注意が必要です。
■ビタミンAの摂りすぎた場合、逆に不足するとどうなる?
◎ビタミンAの過剰症
ビタミンAは水溶性では無いため、過剰摂取分は尿で排出する事が出来ません。
過剰摂取が続いた場合、肝臓に蓄積し、肝機能障害を起こします。また、妊娠中の過剰摂取で胎児の奇形や流産が確認されています。その他に、骨障害、脳圧亢進症により嘔吐や頭痛、脱毛、筋肉痛といった症状が起こります。
◎ビタミンAの欠乏症
ビタミンAが不足してしまうと、皮膚や粘膜が乾燥してしまい、その結果免疫力が低下して風邪などの病気にかかりやすくなってしまいます。ドライアイなど原因にもなります。
その他に、夜盲症(暗い場所での視力低下)、味覚異常を起こします。
■ビタミンAの効率の良い摂り方
動物性食品に含まれるビタミンA(レチノール)の吸収率は70%~90%と、クラス(ビタミン)の中ではかなり成績の良い生徒です。更にレチノールは、どの様な摂り方をしても吸収率は変わりません。煮る成る焼くなりお好みの調理方法で処理した後は、良く噛んでお召し上がり下さい。
植物性食品に含まれるビタミンA(βカロテン)は動物性と比較して吸収率は3分の1に落ちてしまいます。
脂溶性のため、生食よりも油で炒めるなどして、油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。
※βカロテンの吸収率は変化の幅が大きく、体調により3%~90%に変化する場合があります。
要約:肉や魚は煮るなり焼くなり好きにして下さい。人参は馬みたいにバリバリ生で囓るよりも、油で炒めてから食べるよう心掛けて下さい。モロヘイヤの躍り食い、生かぼちゃの丸かじりは推奨できません。
■ビタミンAの(年齢、性別ごと)1日の推定平均必要量、推奨量、耐容上限量、具体的にどんな食品をどれくらいとればいいの?
ビタミンAを多く含む食品:レバー(鳥、豚)、うなぎ、ホウレン草、モロヘイヤ、にんじん、ニラ、小松菜、カボチャ、バジル、パセリなど………。